第32章 破滅の狼煙
その頃のフィン
フィン「止めるな!!」
リヴェリア「落ち着け!冷静になるんだ!!」
フィン「ケイトを助けに行く!!」
リヴェリア「だから待てと言っている!!
病室にお前の子がいるんだぞ!!?警備に付け!」
アイズ「私が行く!通信機から見ていて!!」だっ!!
リヴェリア「アイズ!!?」
『神の鏡』で見るや否や飛び出していった。
ケイトの考えていた想いは…魔力を通して、はっきりと通じていた。
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ブランシェを取り戻したい…
穢れた精霊となったブランシェを助け出し、怪物(モンスター)から解放させたい。
これは…紛れもなく、私の意思だ。
『龍の力』とは『魂の力』…私にとってそれは、『始祖神の力』。
精霊王の力は、使うわけにはいかない。
何より…自分の手で、ブランシェを取り戻したい!!
龍の力は、本来人間の身体では耐えられない。
精霊寵愛のお陰で、魂の意思が反映されるようになったお陰で無事なだけだ。
ならば…『龍の力』を身体など気にせず、全開で使えればいい。
あの時は妊娠していたから全力は出せなかった。流産しそうで怖かったし…
手はある。
クリエイトで作った、変換魔法。
身体の組織・及び構造を置き換えつつ、龍へと昇華させる。
元に戻れるかわからない。それでも…これ以外に方法はない。
自らの体を媒体に、龍の力に最も合う身体(龍)になるしか、その力を完全には引き出せない。
元より、それにお腹の子まで巻き込むわけにもいかない。
18階層に辿り着いた。
その最中…冒険者達を蘇らし、避難させた。
その中でもなお、始祖神の時の記憶が蘇る。
フレイヤ『ウレイオス…聞いて?ロキったらまた』
ウレイオス『はっはっはっ^^
元気があっていいじゃないか。
代わりに私が付き合うよ。何時間でもさb』ぐっ!
フレイヤ『ぱあ)本当?
なら…また、一緒に野原で寝ましょう?』
ウレイオス『ああ。それなら大好きだ!^^』
力を通じて、138億年もの記憶が蘇る。
私はもう…ウレイオス(始祖神)じゃない。
でも…大切なものが何なのかぐらいは、わかっているつもりだ。
「ノアール!!」
ケイト「取り返しに来たぞ…ブランシェ」
漆黒の闇と、私は相対した。