第31章 穢れた精霊
ケイト「へー。誕生日、もうすぐなんだ」
フィン「ああ、5月20日の夜更けだったそうだ。AM1時53分と聞いている」
ケイト「そっか…私は夜10時56分だ」
リヴェリア「所で、精霊王の血を受け継ぐのはどのくらいの頻度で出てくるんだ?」
ケイト「う~ん…その時々にもよるらしいんだけどね?
とりあえず出てくるまで生まないとダメなんだって、うちのしきたりなんだ」
リヴェリア「『しきたり』、か…」
ケイト「うん。10人ぐらい産んだって聞いたことがある」
『ぶふっ!!』
フィン「ああ。あったね、そんな記述が。
30代ぐらい前だったかな?」
ケイト「うん。私で139代目」
ガレス「次はちょうど140代目か」
リヴェリア「…一度、系譜を見せてもらってもいいか?」
ケイト「うん。いーよ!所で系譜って何?」
『………』がくっ
フィン「僕が持っているから見せるよ^^;」
リヴェリア「ああ。感謝する。
その…そのものを身ごもった時、わかるものなのか?」
ケイト「うん。わかるよ?霊感が鋭くなるし。
何より…精霊王の血に伴う力が強まるんだ。
霊感自体は遺伝で引き継がれるものじゃないらしいけども。
この二人は違うけどね」
フィン「!アルとディは違うのか…」
リヴェリア「そうか…
…お前の生みの母親だが…生みの父親によって苦労してきたからこそ、愚痴という名の捌け口に利用していた可能性もある」
ケイト「そっか…
確かに…誰にも言える人いないもんね。今から考えてみれば納得だ。
でもそれとこれとは別じゃない?;」
リヴェリア「まったくその通りなんだが…お前の生みの母親は、本当は愛していたようにも思う。
かと言って、精神的な暴力の数々は無視できるものではないわけだが」
ケイト「ううん。指摘してくれてありがとう。
認識、少しは改まったし…心の痛みも、幾分かは楽になったよ」微笑
リヴェリア「そうか…なら何よりだ」微笑
フィン「所で…十字架はいつになったらネックレスに戻すんだい?;」
ケイト「あ…忘れてた;」
ティオナ「ケイト!せっかく頂上に来たんだし、遊ぼう!」
それからは予定通り山を散策し、湖を凍らせてスケートを楽しんでいた。
昼頃にオラリオへ戻って、ようやく二人きりになって昼御飯を約束通り小人の隠れ家亭で食べた。←485ページ参照