第31章 穢れた精霊
ベート「過去を思い返して、責任を見つめんのはいい。
二度と起こしたくねえんなら、その原因を見つめなきゃ話にならねえ。
だがな…お前がやってるのは違ぇだろ?
ただの『自己満足』だ」
ケイト「!!」
ベート「ただ、てめえが自分を赦せてねえだけだろ?
人を傷付けたくねえ。
人を傷付ける結末に繋がって欲しくねえっていう『馬鹿みたいな想い』で、その想いだけで勝手に自分を傷付けて満足してるだけだろうが。
そんなんじゃいつまで経っても前には進めねえ。
ずっと同じ所で足踏みしてるだけだろうが。
それとも何か?…情に訴えかけてえからわざわざ話したのか?」
『!!』瞠目
フィン「言い過ぎだ)ベート!
ケイト「待って(手で制す)
ちゃんと…話しておきたかったから。
伝えておきたいことだった。生みの母親が背後から幾度刺されてもどかなかったことも、含めて…
皆と、向き合うに当たって…不誠実だし、何より…隠し事は、したくなかった」
ベート「…はあああっ」
ケイト「!!(なんか嫌だった!?;」ビクゥッ!!
身を震わせた。
ベート「ちっ。いっそ打算なら気楽なのによ)
とっくに知ってる。
でなきゃあの時(735,736ページ参照)見とれるか。
なら…なおさら、必要以上に責めてんじゃねえ。
繰り返したくねえなら、全力を尽くせ。それでも無理なら受け入れろ。その傷ごと、痛みごと…
生きてるんなら乗り越えろ。でなけりゃ、話にならねえし浮かばれねえ。
俺の時にまた同じように責めてたら容赦なく蹴飛ばすから覚えてろ」
ケイト以外『……ぷっ』
ベート「あ!?」
ロキ「はははっ。ホンマ、ベートってツンデレやな?(にまにま)
惚れとんのとちゃうか?」
フィン「それは本当かい?」黒睨
ベート「ふざけんな!誰が惚れるか!!」
フィン「ケイトの魅力がわからないか…なら、わかるまで言い聞かせるとしようか^^」黒笑
ベート「一体てめえはどうして欲しいっつぅんだフィン!!;
めんどくせえ!;」
テロップ『本当にね』
笑う人が増える中…ケイトもまた、僅かに遅れながらも笑みを浮かべた。
それまでに投げかけられた皆の言葉の意味を、しっかりと…噛み締めながら――
その目には、もう涙は無く…ただただ真っ直ぐに、前を見つめていた――