第31章 穢れた精霊
ケイト「姉ちゃんは…あともう少しで触れられるといった瞬間に死んだ!
生みの母親は、私を父親から庇って殺された!
生みの父親も街の人達から殺された!って父親は別に死んでもいい。
心なんて要らない。感情なんて要らない…
要らなかったのに…心も感情も、殺したのにっ;
育ての家族は…皆…心…温め、くれてっ;;(ぐしっ)
でも…また――殺された。それも、私が居ない間に…(ひっく)
いつも…いつもっ;(ぽろぽろ)
何でっ…どうしてっ!
死んで欲しくない人ばっかり、先に死んでくんだよおおおおお!!
何で死んで欲しい人に限って長生きするんだよおおおお!!」
その慟哭に、僕は抱き締める力を強めながら、よしよしと頭を撫でた。
胸が張り裂けそうな痛みが、ケイトが抱いている生々しい痛みがダイレクトに伝わってきた。
フィン「ケイト…死なない人間は
ケイト「わかってるよ!;
わかってるんだよ…本当はっ;;
でも…それでもっ;
私は…死んで、欲しくなんか…なかったんだっ;;(ぼろぼろ)
私のせいで…助けようとした人ばかり、殺されてっ;;死んでいって…
どれだけ強くなっても意味なんてなかった;
15歳の誕生日を迎えたあの日…アイズと戦ったのと同じぐらい、強かった。強くなったんだ!;
でも…守れなかった!!!;;」ぼろぼろ
帰ってきた私をドッキリで驚かすつもりだったのがシルキー(妹)の顔を見て伝わってきて
私はうきうき気分で外へ飛び出し、お使いを済ましに行ってた…
でも…帰ってきた夕暮れ時、逢魔が時…
ドキドキしながら扉を開けたその先に居たのは、待っていたのは…血の池と形容できるほどに血濡れた床に横たわった三人。
死んでから優に30分は経っていた。要因は見ての通り、失血死。
冷たくなっていく姿に、震えた手で触れた。
それだけで涙が止まらず、縋り付くように抱き寄せた。
すぐ傍には『誕生日おめでとう』という横断幕。
それに触れると
シルキー『喜ぶかな?ケイト姉ちゃん♪』にこにこ←手書き中
ヴェルフィン『喜んでくれるさ^^』なでなで←傍で新聞を読んでいたが頭を撫でた
オリヴァ『ええ^^きっとね』にっこり←食器洗い中
笑顔を浮かべながら作るシルキーと、それを笑顔で見守る二人がいた。