第31章 穢れた精霊
フィン「…ロキ、今の情報で何か?」
ロキ「ああ。ようわかったで。くっくっくっ(黒笑&額押さえ)
「弱った精霊が精霊王の血を飲めば全快状態になる」、そう昔に天界で聞いたことがあってなあ?
実際にこの世の精霊王の所を覗いとったらホンマに治ってったんや。
それで血を取った後、一回舐めて魔力の回復を認知。わざわざ何かに持って行こうと撤退を選んだ。
その何かは恐らく地下に居る。そこへ持って行こうとしたんは魔力の回復だけやない。
つまりは…エニュオって奴の正体は、十中八九精霊やっちゅうのが考察できるな?
おまけにや、精霊が精霊寵愛をするほど信頼を寄せること。
それ自体は在り得へん。精霊王の血筋を持つ者、あるいは無欲の純粋な人間でない限りは。
それもまた、60階層以下の地下におるエニュオからレヴィスが聞いてたんなら?」
フィン「…なるほど…つまり、僕等の相手は」
リヴェリア「精霊か」
やっと繋がった。
アイズの魔法を見て、レヴィスが「アリア」と呼んだ理由。
それは恐らく…その魔法に精霊の力を感じ、それがアリアだったということ。
ロキ「つまりはや…レヴィスって怪人は、精霊の力に敏感なんや。
だからケイトの中にあるノアールの力を悟り、大精霊を宿した者と察した。
で、その精霊寵愛を選ぶほど信頼される相手は精霊王の血筋を受け継いだ者だけやからか?」
ケイト「そうなるね。
他でそういう話は聞いたことがない。
だから精霊寵愛自体は眉唾物として扱われてきた。
そもそも精霊は自らの私利私欲の為に動く輩、殊更力を振るう者を嫌う傾向にある」
ティオナ「うん。ケイトは力を誇示したりしないもんね」
フィン「とりあえず…敵の全貌はわかった。
「地下で力尽き、怪物に食われた後もなお自我を失わずにいた精霊」、つまりは…」
アイズ「『穢れた精霊』」
ロキ「そうなると益々精霊王との対話が必要になるなあ。
精霊が生まれる土地が精霊の森やろ?確か円状やったな。
でもってその奥に精霊王の森、そのさらに奥に神域…ははっ。こらまた随分と大掛かりな話になってきたなあ^^;
所で、精霊王は何歳なんや?」
ケイト「えっと…確か、今年で5238歳になるって」
周囲/ロキ『!!/細かっ!!;』
ケイト「「精霊王になったのはちょうど5000年前だ」って言ってる」