第30章 ノアール
ケイト「自分の…魔力に、変換してる?」
ブランシェ「ふふふっ…昔とは違うでしょう?」
駆け付けて受け止めた後、ケイトは跪いたままで…立つほどの余裕もないようにぐったりとしていた。
それほど、本気で戦っていたのだということが…目に見えてわかった。
跪いたまま…ブランシェの双眸へ、真っ直ぐに目を向けていた。
ケイト「両親は…一体、どうし
ブランシェ「決まってるじゃない。
…食らったわ。死ぬ節目の時に、頼まれてね。
精霊寵愛で選べるベースは二つ。人か、精霊か、そのどちらかだけよ」
ケイト「ブランシェに…生きて、欲しいからか…」
ブランシェ「ええ。
里帰りした時は驚いたわ…
ちょうど、処刑が行われていたんだもの。
あれを精霊王からの命を受けて、全てを食らって浄化したのはわ・た・し。
せめてもの情けで教えたけれど…知りたい情報は、ここまで?」
ケイト「ああ…答えてくれて、ありがとう。
一つだけ、お願いしても…いいか?」項垂れる
ブランシェ「なあに?」
ケイト「………食らうのなら…私一人だけにしてくれ」
『!!』
アイズ「ケイト!」
ケイト「お腹の子は…食らわないでくれ。
……もう…たくさんなんだ(ぎゅっ!!)←拳を強く握り締める
自分のせいで誰かを失うのも…誰かが傷付くのも……
だから…」
項垂れたままのケイトに対し、彼女はケイトの15m程前の地面に着地して微笑みかける。
ブランシェ「ええ、わかったわ。
あなたの負け…約束通り、頂戴♪ふふふっ^^」
がっ!!
びいいんっ!!
その間に槍を投げ付け、地面に突き立てた。
ブランシェ「あら?…まだ実力差がわからない?
不壊属性でさえも消して喰らう所を見たでしょう…?
ただノアールを貰い受けに来ただけだと言うのに」くすくす
フィン「済まないが…彼女は僕の妻だ。君如きにやる気は毛頭ない!」
ケイト「やめろ…やめてくれ!」
『!』
ケイト「私なんかのせいで、お前達までいなくなるのはやめてくれ!!」
『!!』