第30章 ノアール
…ト!!…イト!!!
過去に思いを馳せていた。
そんな時…遠くから、声が聞こえてきた。
アイズ「ケイト!」
フィン「大丈夫かい?」
「ノアール!」
どうやら…何度も名を呼び掛けてくれていたようだ。
フィン「彼女は一体…」
ケイト「…4歳の時にいた理解者だ。
まだ精霊寵愛を発現していない頃、クリエイトで助けた。
ノアールは…私の中の精霊の名、最初に出会った精霊だ。←709ページ参照
彼女の名は…ブランシェ。
革命の動きが活発化したのは、私が4歳になった頃だ。
1週間だけ一緒に遊んでくれた人で、ある夫婦に引き取られてその二人が革命反対派だったこともあって引っ越して街から去っていったんだ」
フィン「…精霊か」
ケイト「ちょうど、力がより顕著に表れた時期なんだ。
クリエイトも精霊寵愛も、どちらもヘレイオスの末裔の証だから。
その前に、あいつは引っ越していった。別の場所へ。
それから私は、連絡も何も取っていない」
ブランシェ「ねえ…ノアール……」
ケイト「?悪いけど私は」
ブランシェ「あなたを…食べさせて?」
『!!!』ぞくっ!!
ブランシェ「あっはっはっはっはっ!!」ぽおおお!
ケイト「やばい!)くっ!!こっちだ!!」
だっ!!
ケイト「っ…(ダメだ!間に合わない!!皆を巻き込む!)
テレポート!!」かっ!!(魔法円をホーム中に展開)
黒いそれに覆われる美しい白髪の女性に対し、ケイトは即座に皆を白いそれで覆い、外へと連れ出した。
次の瞬間、館は半壊する。
ちなみに言うと、闇の結界で外の光景は見えない。
外からは普段通りの館の姿しか見えていない。
内から半壊されたそれに、ケイトは息を荒らしながら跪いた。