第30章 ノアール
その日、落ち葉掃除を昼からしていた時、ディの怒号と共に爆音が外にまで響いていた。
誰もいないのを確認後、私は箒の柄の端を剣を握るようにして構えた。
風で瞬く間に落ちてくる葉を四方八方に叩き伏せ、最後は集めながら上空からの打ち下ろしを炸裂。
ケイト「…秘技、暴風羅刹(ぼうふうらせつ)(きりっ)
なーんってね♪はっはっはっはっ!^^♪」さっさっ←集まった落ち葉を箒で塵取りに入れてる
アイズ「…カッコいい!//」キラキラ←中庭に面した窓からケイトを見ている
ロキ(ははぁーん)にや←そのアイズの様子を後ろからロキが見てる
後日、それが新たな問題に発展するなど…誰が思っただろうか?
ちなみにアルは喧騒後、ディに連れられて帰っていった。
5月5日(冒険者42日目)
朝、アイズに一点集中のコツを教えることになった。
というのもフル・バースト、キャノンを会得したいとのことだ。
ケイト「いい?全体を100とするでしょ?
そしたら剣先のみで見たら大体2程度しか集まってない。
いっそ全部を剣先のみに集めたらもっと強くなる。
ドリル回転すれば、その速度が異常に上がれば上がるだけ威力も貫通力も増す。
ドリルスラッシャー!って感じに…」←実践しながら解説中
アイズ「ドリル・スラッシャー…」キラキラ
ケイト(…あれ?お気に召した?;)たらたら
アイズ「ケイトの暴風羅刹みたいに?」キラキラ
ケイト「へ?」カチーン←硬直
見られていたとは思わなかった。
一瞬で血の気が引き、冷や汗がドバドバ出て硬直するばかりだった。
そして目の前で風(エアリエル)なしで、衝撃波で風を操った『中二病全開な技(暴風羅刹)』が真似され羞恥心が爆発した。
アイズ「ケイト、模擬戦でも使っていい?//」キラキラ←高揚中(後ろで小さいアイズまでも一緒になって大はしゃぎ中(ぴょんぴょん満面の笑みを浮かべて何度も万歳と共に飛んでいる))
ケイト「ふぎゃあああああ!!!!!・・;(涙目」だっ!!!!!
アイズ「ガーン!!)ケイト!!?;」汗&驚
次の瞬間、私は弾かれるように部屋へと突っ走っていった。無論、浮遊で。
視界から消える頃、一瞬視界に入ったアイズは涙を浮かべていた。
アイズ「何で…逃げちゃうの?」ぐすっ
その小さな声は、風に掻き消された。