第7章 本編の章 四性獣との契約
仁也は呟き、美琴に触手を伸ばしたが、あっさりと交わされ美琴に反撃を許してしまい美琴の剣が仁也の体を切り裂いていった。
仁也は、怒りの余り我を失いやみくもに触手を振り回したが、こうなってしまうともはや仁也は美琴の敵ではなかった。
美琴が放った奥義が、仁也の体を真っ二つに斬り裂いたのだ。
仁也は、雄叫びを上げ絶命した。
美琴は、駆け出し望と美玖の後を追った。
「美玖達は、一体どこに・・」
美琴が呟いた。
美琴は、鹿島神社内を駆け巡り妖魔を見つけては斬り、美玖と望の姿を探し続けたが二人の姿は見つけられなかった。
美琴は、本殿へと足を運んだ。
本来、本堂は棗の許しがなければ入る事はおろか近寄ることさせも許されてはいないのだが、今はその様な事を気にしている場合ではなかったのだ。
望やみかるの行方を捜した。
「部下に裏切られた気分は、如何ですかな、棗様・・・」
本殿の奥から男の声が聞こえてきた。
「棗様?」
美琴は呟き、声がした方へと足を運んだ。
「鹿島の巫女よ、この子供の命が惜しければ武器を捨てろ。」
棗に向かって叫び、なお降服を迫ってるのは尼子周平であった。
周平は、6歳ぐらいの男の子をの首元に剣を突き立てていた。
周平の後ろでは、大人の女性が妖魔に凌辱さえれていた。
「へへへ・・・仲間を連れて来たぜ。」
妖魔の1匹がみかるを引きずって来た。
「み、みかる・・・。」
棗が呟いた。
「おやおや、また仲間が増えたぞ。」
周平がみかるを見て叫んだ。
「私にどうしろと言うのです?」
棗が周平に。
「そうよな、この俺達を楽しませて貰おうか。」
周平は棗に向かって叫んだ。
「くぅ。」
棗は呟き、宝剣を投げ捨てた。
「潔い巫女だ。」
周平が呟いた。
「さて、他に二人の巫女がいたはずだ。」
周平は呟き辺りを見渡した。
「てやぁあああっ!」
どこかで、少女が吠える声が聞こえた。
声の主は古森望であった。
「おや、もう一人居たか・・よしあの巫女を捕えてこい。」
周平は、妖魔に伝えた。
「ヒャヒャヒャ・・・」
妖魔は、不敵な笑いをしながら望に歩み寄って来た。
「よ、妖怪。」
望は呟き、薙刀を構えた。
「シャアアアアアッ!」
妖怪は、吠え声と共に望に向かって大きく飛翔した。
「なんと。」
望は呟き、妖魔をかわし再び身構えた。
「これだけの、妖怪なら私でも勝てる。」
望が妖怪を見ながら呟いた。