第7章 本編の章 四性獣との契約
「私が、小牧さんと初めて合った時はまったく気付かなかったわ。」
望が呟いた。
「それで、小牧さんはね例え自分の体の中に、妖怪の血が流れていても強く生きていこうと決意をして今日までに至った訳であの子が強いのは、ただそれだけではなくて他に別の理由があるからなのよ。」
棗が望に向かって呟いた。
「その別の理由とはなんですか?」
美玖が棗に訊ねた。
「残念ながら、そこまでは私にも分からないわ。」
美玖の問いかけに棗が答えた。
この後、棗達は雑談を交わし合った。
「棗様! 大変です。」
至る所が破けた巫女服を着た、一人の巫女が棗の元に駆け付けてきた。
「その、巫女服はどうたのですか? それに、ここは・・・。」
棗が最後まで言葉を発する前に巫女は倒れた。
「一体、何があったの?」
意識を失い倒れ込んだ巫女を見て棗が呟いた。
「シャアアオオオオオッ!!」
上空から、雄叫びが聞こえてきた。
「あれは、美琴の式神・・軒詠」
望が呟いた。
「軒詠? どうして軒詠が?」
棗が望に訊ねた。
「どうかしたの?」
突如、美琴が姿を現した。
「美琴?」
覗いが呟いた。
「軒詠」
空を見上げ美琴は軒詠を呼んだ。
「どうしたの、軒詠?」
美琴が軒詠に訊ねた。
軒詠は、美琴に何かを語りかけているが、望達には軒詠が美琴に何を話しかけているのかまったく理解する事が出来ずただ茫然と立っていた。
「そう・・。」
美琴が呟いた。
「ねえ、美琴・・軒詠はなんて言って来てるの?」
望が美琴に訊ねてきた。
「実は、鹿島神社が焼け落ちたそうです。」
望の問いかけに美琴が答えた。
「鹿島神社が落ちた・・いったい、どういう事ですか?」
棗が美琴に訊ねてきた。
「じつは、赤西仁也って美玖の専属マネージャが、鹿島神社に火を付け封印しさえていた妖怪達を解放したそうです。」
棗の問いかけに美琴が答えた。
「赤西仁也・・・。」
美玖が呟いた。
「美玖は、その赤西仁也って人知ってるの?」
望が美玖に訊ねた。
「赤西仁也・・・私の専属のマネージャーです。」
望の問いかけに美玖が答えた。
「専属マネージャ・・でも、どうしてマネージャーが?」
棗が呟いた。
「本当に、その赤西って言うマネージャーが、一人だけで出来る事ではないはず・・おそらく内通者が居ると思われます。」
美琴が呟いた。