【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第7章 【一月三十一日 夜半】~祭りの後~
もぞもぞと、夢とうつつの間をさ迷いながら。
大きく寝返りを打つと、冷たい空気に肩が放り出されてしまい。
半ば強制的に、ゆるゆると目が開いてしまう…
差し込んでくる、柔らかい冬の朝の光の中。
すっかり身支度を整えた家康が、こちらに背を向けて座っていた。
何やら熱心に目を通しているらしい、その手には文。
そういえば、昨日の宴の最後に信長様に渡されていたっけ――
すぐで無くとも良い、手が空いた時に読め――
弟思いの信長様の事だから、きっと優しくて暖かい言葉が綴られているのだろう。
そしてそれがわかっているから、家康も私が寝ている、この間に目を通しているんだろうな…
そんな風に微笑ましく思いながら、もうひと眠り出来るかな、と目を閉じる――
「は、あっ…!!?ったく、あの人はっ…!!!」
家康の急に上がった大声に、驚いて身を起こす。
そして自分の格好にひゅっと息を飲み、勢いよく布団を被った。
家康はそれに気づき、此方を振り向く。
わなわなと震え、先ほどまで大事に読んでいた文を、くしゃり、と握りながら。
「お、おはよ…?」
「…ごめん、起こして」
「いいよ、うとうとしてたから。何かあった…?」
心配になり、そう尋ねると。
さっと目を伏せた家康が、ぽつぽつと呟くように説明をしてくれる。