【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第6章 【一月三十一日 夜】~御祭騒ぎ~
皆に見守られながら、箱を開ける。
開けた先には、銀に煌めくスプーン。
柄の部分に巻かれた、真紅のリボンが可愛いのだけれど…
自室で待っている違うリボン、を想像してしまい自ずと顔が火照る。
「何これ…匙?」
「そうですね、家康様。現代風ですと、スプーンと言います」
「すぷー、ん」
――内容は、ズバリ。
『ケーキ、スプーン、リボン』です――
今月の初めの、秘密軍議で。
佐助君が言っていた内容が、頭をよぎる――
「千花さん、これは俺からの、二人へのプレゼントだ。ファーストバイトって、知ってるだろう」
「うん…知って、る」
そして、元の世で。
苺狩りの帰りに見かけた、幸せに満ち溢れた結婚式の風景を思い出す…
「そこに来て、政宗様がもう一段ケーキを作って下さったから。ほら、ケーキ入刀、も出来る」
あの時、挙式の風景を羨ましく見つめていた、自分に教えてあげたい。
思わずふるり、と震える身体を抱き締める――やっぱり結婚式は、特別で。
憧れていないと言えば、嘘になる。
様子のおかしい私を、不安げに見つめる家康に。
その内容を、説明する…
「あのね、現代の祝言でやる…儀式、みたいなもので。二人でケーキを切り分けて、皆に配るんだよ」
「二人の幸せのおすそ分け…なんて意味があるようですが、ケーキがガタガタに崩れてしまう事が多いので。初めだけ刃を入れたら、後は政宗様にお任せした方が」
「スプーンの方は、ファーストバイトって言ってね。二人でケーキを食べさせ合うの」
「簡単に言いますと、二人の愛情の深さを招待客に見せつける演出です」