【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第6章 【一月三十一日 夜】~御祭騒ぎ~
「あ、れ…政宗、それっ…!!」
「いいだろ?佐助の言う通りに仕立ててみた」
政宗が大皿に盛ったケーキをどん、と机に置いた。
持ち帰った時とは、趣の違う姿に驚く。
なんと言っても、ケーキが二段になっていたのだから――
上の段は、元の世で仕上げてきた生クリームと苺のスタンダードなバースデーケーキ。
下の段には、政宗が作ったと言っていたスポンジケーキ。
糖蜜で艷めく表面に、南天の枝があしらわれて。
苺にも負けない、鮮やかな赤と緑が美しい。
そして、ど真ん中には私が書いたチョコプレート――
「い、え、や、す…はぴ、ば?」
「はぴば、って何だ、千花」
「えっと、元の世で…お誕生日おめでとうって意味だよ、だいたい」
そう説明すると、口々に皆が家康はぴば、と声をかける。
真面目な顔でありがとうございます、と答えている家康を見て、吹き出すのを必死に堪えながら。
このシュールな笑いを共有したくて佐助くんの方を向く…すると。
佐助くんはごそごそと、部屋の隅に用意していたらしい包みを持ち出す。
そしてその中から水色の箱を取り出し、私に差し出した。
「ああ、あれ、か。佐助」
「そうです、光秀様。その説はありがとうございました…さあ、千花さん」
「家康じゃなくて、私…?」