【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第6章 【一月三十一日 夜】~御祭騒ぎ~
「いいぃいいいいえや、す……!!」
わなわなと身体を震わせる私の姿を、別の意味と捉えたのか。
家康がまた小さくため息をし、顔に手をやる。
「…ほら、別に千花だって…」
「いやいやいやいや!!!!家康っっ!!
取らなくていいよ!似合ってるよ!
ありがとう三成くん!
ありがとうーーーっ!!!!」
家康の手を抑え、もう片方の手で三成くんとがっちり握手を交わす。
困惑と照れが入り交じる家康の顔には、なんと眼鏡。
くすみがかった濃いブロンズの、メタルフレーム…
佐助君みたいな太めの黒縁とかだと、色白な家康の顔で悪目立ちしそうだし。
三成くんみたいな細いフレームだと、ビジネスっぽすぎて雰囲気に合わない。
ブロンズだったら程よくカジュアルで着物にも、何ならさっきのMA-1にだって…!!
――ん、メタル?
「家康様も私同様、よく読書をされるので…今は目は悪くないと仰るのですが、悪くなる前に保護するのが肝要かと。
ですので、佐助様オススメの眼鏡を誂えて頂いたのです。
何処の職人様かは存じませんが、とてもかけ心地が良さそうですね!私も一つ、作って頂きたいものです」
佐助君がいつどうやって、用意したのか…もう何も言えなくなって、ただただ家康の顔をまじまじと見つめる。
家康はいつもより更に、赤みを増した顔を隠すように俯いた。
最高でしかない…佐助君と三成くん、最高でしか…!!
興奮のままに繋いだままの家康の手をぶんぶんと振っていると、政宗と佐助君も漸く戻ってきた。
私たちの状況を見て全てを察したらしい佐助君が、持っていたお盆を置き、サムズアップ。
そして、三成くんとがっちりと握手を交わしている。
「佐助様、ご覧下さい!こんなに家康様と千花様に喜んで頂けて…佐助様のご尽力の賜物です」
「いえ、俺の方こそ…こんなに貴重な家康公のお姿を、拝見できるなんて」
あちらこちらが興奮の坩堝。
収拾がつかなくなる中、政宗がいそいそとケーキの準備をしてくれている事に気付き、手伝おうと駆け寄る――