【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第6章 【一月三十一日 夜】~御祭騒ぎ~
「流石です、実にお似合いです」
「お似合いも何も…だから、俺は別に」
「しかし悪くなられてからでは遅いと、佐助様も仰っていましたよ」
「お前と違って、ちゃんと加減してる。そんな心配は無用だ」
「でも、家康様。いつもと雰囲気が違われて、きっと千花様もお喜びかと」
「三成、お前…彼奴の名前を出せば済むと思って無いか」
「おや、違いましたでしょうか?」
本当に、仲がいいのか悪いのか。
場所が場所なら喧嘩でも始まりそうな、二人の言い合いに思わずおろおろと視線をさ迷わせる私に、光秀さんが気付き、薄く笑う。
「…ほら、家康。千花が戻ってきたようだぞ、見てもらえば良いのではないか」
揄うような、宥めるような。
どちらも取れる光秀さんの声に、三成くんとの言い合いをぴたり、と止めて。
彼方を向いたままの家康の背がぴくり、と震える。
はぁ、と、こちらまでは聞こえていないけれどため息が確かに漏れたようで、肩がふにゃり、と落ちた。
そして光秀さんと三成くんに促され、こちらを振り返る姿に思わずあんぐりと口を開ける――