【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第1章 【プロローグ】年賀状と秘密の軍議
ケーキはまぁ、分かるとして…スプーン?
ケーキ食べるならフォークじゃないの?
というかそもそもどっちもこの時代にあるの?
…リボンはプレゼントの包装用かな?
はてな、を頭上にたっぷり飛ばしながら、二人の様子を窺う――
そして佐助くんの話を聞きおわったらしい信長様は、にやり、と満足げな笑みを浮かべた。
「ほう、面白い。ならば『りぼん』は決まりだ…あとは『けーき』と『すぷーん』だが、どのように祝うつもりだ?」
信長様は、佐助くんの顔をじっと、まるで試すように見つめる――佐助くんは、物怖じすることも無く、まっすぐとそれを見つめ返し。
「ご安心を。その辺を巧くプロデュースする方々に心辺りがあるので、お任せ下さい」
いつも通り、無表情で頷いた。
「と、その前に…武将の皆さん、こちらから一枚クジを引いてください」
まずは担当を決めますので、と言って、佐助くんは何処からか木箱を取り出した。
武将様たち五人に、中に入っているクジを引くように伝える。
担当?と首を傾げる私を他所に、淡々とクジが引かれていく――
「おや、これは…」
「あぁ?なんだ、これ」
「ククク…承知した」
「ん、なるほど」
「ほぉ…なかなかの趣向だな」
何が書いてあるんだろう、と隣の三成くんの手元を覗き込む。
すると三成くんがいつも通りにこり、と笑って…しかし珍しく、ダメですよ、とクジを畳んでしまった。