【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第6章 【一月三十一日 夜】~御祭騒ぎ~
「流石まさむね!伊達巻美味しいっ!!」
「だろ?千花、これも食え」
「あっつ、う、でも、美味しいっ!!」
「だろ?こっちは…」
宴が始まってしばらく経った。
私は完全に餌付けられたような状態で、政宗に勧められるままに料理に箸をつける。
それに連れて、勿論お酒も進んでいく。
「千花!女子がそんなはしたない…っ」
「お堅いぞ、秀吉。いいじゃねぇか、今日くらい」
「そうだそうだー!秀吉さんも呑みましょ、ねー!」
流石に見咎めたらしい秀吉さんが寄ってきたけれど、結局一緒になって呑めや食えやの大騒ぎ。
家康は、と目をやってみると、三成くんと佐助くんの家康大好きコンビに捕まって。
顔を赤くしたり、青筋を走らせたり、彼方はあちらで忙しそうだ。
信長様は光秀さんとしっとりお酒を酌み交わしている。
もうお腹は満足みたいで、お箸はずっと置かれたまま…
周りの大皿も、空いたものはどんどん下げられて行って、そろそろ宴もたけなわというところ。
「ねえ、政宗。あれ!手伝ってよ」
「…おお、あれか?確かに、そろそろ頃合いかもな」
「ん?けーき、か。俺はまだ見ていないんだ…楽しみにしてるぞ、千花」
元の世から戻ってきて、なるべく涼しい場所で保管して欲しいと政宗に預けたバースデーケーキ。
準備のため、二人してこっそり広間を出たつもりが――
「千花さん、政宗様。俺も手伝いましょう」
「佐助。助かる、頼んだぞ」
私たちの姿を捉えたらしい、佐助君が追いかけてきてくれる。
この数日間ですっかり皆に馴染んでしまった佐助君に、思わず吹き出しつつ。
三人で厨へと向かう道すがら、酔いすら一気に冷めてしまいそうな冷たい風に身を震わせる。