【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第6章 【一月三十一日 夜】~御祭騒ぎ~
「家康、おめでとう」
信長様の凛とした声と、拍手が広間中に響き渡った。
皆がそれに呼応するように手を打って、割れんばかりの音になる。
家康は、戸惑ったように皆をぐるり、と見回すと。
またほんの少しだけ、嬉しそうな表情を濃くして、もう一度頭を下げた。
それが合図だったかのように、酒瓶や徳利を持った女中さんたちが入ってきて。
突然華々しい宴へと、場の雰囲気が一変する。
楽しくなってきて、ついついいつもより多めにお酒を注いでもらうけれど。
今日ばかりは、家康も秀吉さんもそれを窘めない。
「千花、貴様に花を持たせてやろう。乾杯の音頭を取れ」
「わ、私ですか?では、僭越ながらっ」
家康に笑いかけると、ほんの少しだけ、笑い返してくれた。
嬉しくて沸き立つ気持ちのまま立ち上がり、手に持った盃を高く掲げる――
「いえやす、おめでとーっ!かんぱーいっ!!」
「「「「乾杯!!!!」」」」