【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第4章 【一月三十日 正午】〜ほっこりランチタイム〜
「はぁ…ご馳走でしたっ、美味しかったぁ」
ぱん、と手を合わせてお重をしまうと、私はまたいそいそと火に近寄り、手を翳した。
なんと言ってもやっぱり、寒い。
此処から城までまた逆戻り…考えるだけで身がすくむ。
政宗が待っていると分かっていても、満腹なのも手伝って、全員に気だるい雰囲気が流れている。
すると、腹ごなしをする様に伸びをしていた佐助くんが、ある一点で目を止めた。
「…あれは…きたな」
その視線を追いかけてみると。
ゆらゆらと、風に流されることなく真っ直ぐに空へと立ち上る一筋の煙を、遥か向こうに見つけた。
「…佐助。信長様の領内で何か企もうなんて、してないだろうね」
「あぁ、勿論違いますよ、家康様。あれは、仲間の軒猿からの連絡ですね」
「だから、それがよくないんだって…」
「家康様、あの狼煙、やけに真っ直ぐに上がりますね。戦場で報せを送るのに、実に適しています…何か特別な材料を調合しているのでしょうか?」
家康の呆れた様な突っ込みは、佐助くんの耳には届かなかったようだ。
でも、三成くんとの狼煙談義には花が咲いたようで…顔を突き合わせてああでもない、こうでもないと思案を始める二人。
答えを知っているらしい佐助くんは、何処か得意げな表情を浮かべると。
ちょいちょい、と私に向かい手招きのジェスチャーをした。