【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第1章 【プロローグ】年賀状と秘密の軍議
そして時は、戦国時代。
年が明けてすぐの、一月三日。
まだお正月ムードも覚めきらない、賑やかなその日。
秘密の軍議を開く、とのお達しで城の広間に集められた私達――
とは言っても、家康は何故か呼ばれていないし、信長様はまだだ――
寒さからか、それとも秘密、という言葉につられているのか?
何故かひそひそと、小声で話し合っていた。
「うぅ…寒いっ…!」
「何故もっと着込んでこなかったんだ、千花?寒いのなんて、分かりきってるだろ」
「千花様、お風邪を召されてはなりません。もっと火鉢の近くへお寄り下さい」
「うぅ、ありがと三成くん…だってまさか、室内でこんなに寒いなんて思わないもんっ…何なんだろ、軍議の内容って?早く終わるやつ?」
「…いや、時間はかかるだろう。いつも通りなら、な」
「特に今回は千花もいるし、な」
何やら意味ありげに頷く政宗と光秀さんに、首をかしげていると。
すぱん、と小気味よい音を立て、襖が開かれ。
広間に入ってきた信長様が上座につき、脇差に肘を凭れさせた。
そこで私達も、暖かな火鉢が名残惜しいけれど自席につく。
信長様は一人一人の顔をずい、と見渡し。
満足げに笑むと、口を開く――
「今月末には家康の誕生日だが。貴様等、何か案はあるか」
思わず口をあんぐりと開く私を他所に、皆、腕を組んで一生懸命考えている様子だ。
天下の武将様たちが、仲間のためにお誕生日の打ち合わせ…微笑ましくて、笑いを抑えるのに必死になりながら私も考えようと、何ともなしに宙を見た…
その時。
天井の板が、音も立てずほんの少しズレた。
流石と言うべきか、皆がそれに気付いたようで天井に注がれる視線――秀吉さんが腰に手をやりながら立ち上がろうとすると、また板がずる、と動き。