【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第3章 【一月三十日 巳の刻】〜三成くんの指令〜
家康の言葉が、重たく、しかし優しく。
心にすとん、と落ちてくる。
家康がここに居るのも、私がここに居るのも、全て失われる生命の上で成り立っているのだと――特にこの乱世ではそう感じさせられることも多くて、頭では分かっていたつもり、だけど。
目の当たりにしたら、やっぱり躊躇してしまった。
元の世では、食べ物として認識していた物が。
実は私達と同じように生命があって、動いて、卵を産んで、そうして生きているのに…
その全てを、奪って、頂くこと。
「千花様…私達がいただきます、という時は生命を頂いているのだと、仏様の教えを書かれた本で読んだことがあります。
まさにそれを、私も今、痛感いたしました」
その繰り返しで生命が続いていくのだ、としたら――皆が、私が、家康が。
生まれてきて、今も元気でこうしていることが、余計に特別な事に思えてきて。
三成くんの言葉に、胸がきゅうっと締め付けられる…
「…うん、そう言う事、だよね。感謝を忘れずに、いたら良いんだよね」
「そうだね…政宗さんに任せておけば、美味しく料理してくれるでしょ」
この悲しくて寂しくて、割り切れない気持ちごと、食べちゃうしか無いのだ。
それが、私があの鶏さんにしてあげられる唯一の事で。
こちら側のエゴかも知れないけれど、ありがとう、ごめんね、と目を閉じる――