【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第3章 【一月三十日 巳の刻】〜三成くんの指令〜
「っ、た!!」
「千花!?」
案の定素早い動きでつつかれて、手の甲にじんわりと血が滲む。
あちゃー、と苦笑いしていると、家康がゆらり、と立ち上がった。
「いえやす?」
「三成、この鶏押さえてろ。鶏とは言え、許せる行いじゃない…
捌いて政宗さんに引き渡して、鶏鍋にしてやるから」
「ちょっと、鶏のやった事にそんな目くじら立てないで!?家康ーー!!」
いそいそと助太刀にやってくる三成くんの手も、よく見ると傷だらけなんだけど。
それには目もくれず、家康は短刀を取り出す。
いやー愛されてるなー、
なんて自惚れている場合じゃない…!
「申し訳ありません!
その雌鳥が、何か致しましたでしょうか!?」
どたばたと騒いでいると、不意にかけられた声。
声の主を振り返ると、どうやら先ほどのご主人の縁者らしい…
おじいちゃんをそのまま若くした様な、気の良さそうな男性が立っていた。
「実は、その雌鳥は最近年老いて卵の産みが遅くなってまいりました…加えて、生存本能からか、気が立って他の鶏を傷付けたり、がよくよくございます。
そろそろ絞めて売ってしまおうか、とこちらも考えあぐねておりました」