【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第3章 【一月三十日 巳の刻】〜三成くんの指令〜
「こっ…!!
こわっ!鶏の目こわっ!!
嘴もこんなに尖ってるよ!?」
おっかなびっくり、手を出しては怖くなって引っ込めるのを続ける私と。
「鶏さん、失礼しますね…?
いっ、いたっ!痛いです、鶏さんっ」
鶏さんと対話するも虚しく、つつかれる三成くん。
ちなみに三成くんは初めは、鶏舎には入って居なかったけれど…
誰のせいだと思ってんの、なんて家康にちくり、とつつかれて手伝いに入ってきてくれた。
…ただし今の所、特に卵を手に入れれる雰囲気はないのだけれど。
家康もさぞ苦戦しているだろう、と。
初めのいかにも嫌そうな顔を思い出しながら、そちらを見やる…
「お前達、何やってんの…?」
こちらを呆れた様に見ている家康、その手には――ほかほかと、湯気を立てそうな新鮮な卵が二つ。
「は!え!?どうやってっ…!?」
「家康様は、鶏さんの扱いにも通じておられるのですね!?流石です…!」
「何言ってるの。こんな事、常識でしょ」
家康がすっと視線を走らせ、徐ろに。
手近にしゃがんでいる鶏の尾羽根を持ち上げると、また卵。
「しゃがみこんでる雌鳥は卵を抱えてるから、尾を持ち上げたら簡単に取れる。雌鳥は、鶏冠が小さくて、色も薄赤い…さっき千花が触ろうとしていたのは雄鶏だね。
三成、正面から行ったらつつかれるのは当たり前。鶏は視野が狭いから、真後ろから取ればつつかれない…お前そっくりだよ」