【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第3章 【一月三十日 巳の刻】〜三成くんの指令〜
「よ、養鶏場…?」
「えぇ、そうです…こちらが私の、目的地となります。
さぁ、参りましょう」
先立って歩き出した三成くんを追い、大きな門をくぐり、中へと入る。
こけこけと、大音量の鶏さんたちの声に、家康は思い切り顔を顰めている。
独特の獣っぽい臭いと、埃が立ち込める空間。
恐らく家康は苦手な部類だろうな、と内心苦笑しながら歩を進めていく。
暫く歩くと、囲いの中に。
ふわふわと飼葉が敷き詰められ、大量の鶏さんたちがひしめくだだっ広い空間に出た。
壁、とは呼べない板組みの中だけど、鶏さんの密度が凄いからだろうか?
心做しか、暖かく感じる。
ばさばさとはためく翼の音、こけこけとエンドレスでリズミカルに響く鳴き声…
そして、一羽が私達の来訪に気付いたらしく。
威嚇めいた甲高い鳴き声が上がると、それにつられて皆が一斉に鳴き出す。
凄い勢いに気圧されながら、びくびくと鶏舎の中を見つめていると。
この養鶏場の主人らしきご老人が、漸く出てきてくれてほっと息をつく。