【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第3章 【一月三十日 巳の刻】〜三成くんの指令〜
「んー、我ながらいっぱい出たね。
まだまだありそうな気もするんだけどなー、うーん…」
「本当ですね。千花様の家康様への深い思いが、垣間見れる様でした!」
「三成くんも、ほんとに家康のこと尊敬してるんだね!」
「頼むから、お前達もうやめて…」
家康が心做しかぐったりと、顔を覆うように項垂れている。
少し遊び過ぎたかな、と反省しつつ。
「やっぱり何だかんだ言っても一番はね、すっごく際限なくあり得ないくらい優しいところ!」
そう、三成くんに答える。
結局初めに出てきたやつじゃない、と俯いた家康からぼそっと聞こえてきた。
「なるほど。家康様は如何ですか?」
「三成お前、本当に…好い性格してるよ」
「私までお褒めに預かり、光栄です!」
最早突っ込む元気も無いらしい家康が、すたすたと三成くんに近寄ると。
ぐい、と衿元を引っ張り、ぼそぼそと早口で何かを告げた。
「…なるほど、相分かりました。これでお二人共、指令はくりあ、ですね」
「え、ええ!?私の好きなところは!?」
「もう三成に言ったよ、これで指令、くりあ。
よかったよかった」
納得が行かず、むすっと口を尖らす私に。
家康が意地悪気な笑みを浮かべる。
「千花が、沢山聞かせてくれたから。逆に俺は聞かせなかったまで…仕返し、だよ」
そう言われると、何も言えず。
気になって仕方がなくて、地団駄を踏みたい気分に駆られる私の向かう先に、張り巡らされた柵が見えてきた。
「そうこうしている内に、つきましたね。
目的地の…養鶏場、です」