【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第3章 【一月三十日 巳の刻】〜三成くんの指令〜
その表情は照れた時の睨みであって、怒ってる訳じゃないと知ってるもんね、と。
心の中で笑いながら、三成くんの指令に答えるべく頭をフル回転させる。
「ツンってしてる癖に、実はすっごくすっごーく、優しいところとか?」
「そうですね、千花様。家康様はとってもお優しい方です」
「非常食って言いながら、わさびちゃんをすっごく可愛がってるところとか?」
「お庭で飼われている、鹿様ですね。ずっと非常食だと伺っておりましたが…流石は慈愛に満ちた、家康様です」
「細っこいのに実は強くて、弓矢なんて百発百中なところとか?」
「家康様は、その他の武道にも優れておられるのですよ。私も惚れぼれ致します」
「…ちょっと、一番、だけでしょ…どれだけ…」
「今、その一番について考えてるとこなんだもん!ちょっと待って、ね?」
白熱していく議論に突っ込んできた、家康の言葉をぶった切る。
家康は顔を赤らめたまま、ぐっと黙り込んだ。
「実は知識豊富で、特に病気や怪我の治療については本を読み漁るくらい勉強熱心なところとか?」
「よく書庫でご一緒させて頂きますが、その見識の深さには感服しております」
「信長様や秀吉さん、上の人をちゃんと立てて、配下の人達を大事にしてるところとか?」
「家康様は礼を重んじ、義を通される…まことに、立派な武将様です!」