【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第2章 【一月三十日 辰二つ】〜三成くんの御殿に向かえ!〜
「ようこそお越しくださいました、家康様、千花様!そして、お誕生日の『指令』私もご用意させて頂きました」
漸く辿り着いた三成くんの御殿。
大手を振って出迎えてくれた三成くんは、まずは暖まってくださいね、と熱いお茶を出してくれた。
「能書きはいいから。お前が用意した指令、とやらは何なわけ?要点をまとめてさっさと教えて、そして終わらせてよね」
珍しく零す事も転ぶ事も無く目の前に出されたお茶を、ひと啜り。
濃くて苦い、ということも無く、薄くて物足りない、ということも無い丁度良い塩梅。
彼の今日という日への意気込みが伺えるようだけど、家康の対応は相変わらず辛辣だ。
「わあ、これ美味しいね三成くん」
「それは何よりです。お二人のため、丹精込めて淹れさせて頂きました!」
「そんな事いいから…はぁ、三成。お前が絡むと調子が狂う」
憎まれ口を叩きながらも、お茶が飲み頃になった頃を見計らってぐい、と飲み干す家康を、三成くんが嬉しそうに見やると。
その視線に家康が、気まずくなったのか…しらっ、と目を逸らす。
三成くんはそれに気付いているのかいないのか、めげもせずに、いつも通りの笑顔で口を開いた。
「それでは、ご用意しているものをお渡しする前に…私からの指令を、一つ」