【イケメン戦国】プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭②~
第2章 【一月三十日 辰二つ】〜三成くんの御殿に向かえ!〜
徐ろに立ち上がる、三成くんを目で追う。
すっと、何も言わないまま奥の間に下がっていった…
何か、道具でも取りに行ったのだろうか?
「何だろうね、家康…」
「彼奴の考える、指令…どうせろくな物じゃないんでしょ」
憎まれ口を叩きながら、しかし気になっているようで。
家康も三成くんの出ていった戸を、じっと見ている。
どきどきと、楽しみなのかはたまた不安なのか?
気持ちだけが逸って、落ち着かない――
暫くして、すっとまた音もなく戸が開き。
先程は纏っていなかった、分厚い綿入りの袢纏を羽織り、三成くんが戻ってきた…
いやいや、まさかそんな。
嫌な予感、が折角火鉢で温めた身体に過ぎる――
「お待たせしました、それでは参りましょうか。
家康様、千花様」
――やっぱり、外に出るのね。
自然と家康と顔を見合わせた私は、深く重ーいため息をついた。