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連れ立って歩く 其の五 木の葉編 ー干柿鬼鮫ー

第5章 藻裾の先行き



暁って…。
鮫のアニさんとデイダラんとこに?

一瞬笑い飛ばそうとしたが、よく考えれば笑えない。元々暁はアンダーグラウンドな集団だ。只の有象無象が集まった烏合の衆とは明らかに一線を画している。

確かに牡蠣殻と藻裾は暁と関わりがなくもない。

殊に牡蠣殻は、干柿鬼鮫という物騒な大男と、彼女にしては信じられない早さで信じられない程親しくなっている。
何がどうしてそうなったのか、改めて膝付き合わせて話したわけではないから詳細は知らねど、磯の散開騒ぎからこっち、気付けば牡蠣殻と干柿鬼鮫は藻裾の中でひと括り、所謂相方同士の型に収まっていた。
その煽りを受けた格好で、藻裾は藻裾でデイダラというこれもまた物騒な爆弾男と顔さえ見れば毒づきあう仲になったのだが、けれどそれが何だ?

改めて考えれば、彼らは相変わらず暁の一員であるし、そうである以上暁の任務が至上、牡蠣殻が標的になっても容赦するとは限らない。

「暁ってのは、金を積みゃ汚れ仕事もする犯罪集団なんだよな」

藻裾自身、牡蠣殻の護衛を暁に依頼した過去がある。何をしても牡蠣殻を守ってくれるならばと思ったあのときの我の心持ちを思えば、暁の頼りがいはそのまま脅威に変わる。

「そうよ。何せ私が居たこともあるくらいなんだから」

ふふんと髪を肩に払った大蛇丸に藻裾は酸っぱい顔をした。

「何だそりゃ。何自慢だよ?」

「自慢じゃないわよ。別に」

「あーまあね。アンタは何処にいても何をしても終始一貫して犯罪絡みスからね。息吸って吐いてても何の自慢にもなんねぇもんな」

「…いや…否定はしないけどそんなに悪いかしら?そこまでナチュラルキラーボーンズ?」

「ミッキーとマロリーの一人二役でエコロジックなナチュラルキラーボーンズ……」

「アタシ、俺たちに明日はないのが好きなんだけど」

「ははぁ、年相応にクラシカルなこと言うね。じゃクライドとボニーの地球に優しい一人二役……。けどひとりで八十何発も弾食らうのは難儀ですぜ?」

「そうねぇ。無駄に痛い思いもしたくないしねぇ。じゃミッキーとマロリーでいいわよ」

「一人二役じゃ逃走成功してもひとり……」

「……ならミッキーはサスケくんで」

「それじゃレオンになっちまいますよ?歳の差、歳の差」

「いいじゃない。レオン好きよ、私。ジャン・レノ渋いじゃない?」

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