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連れ立って歩く 其の五 木の葉編 ー干柿鬼鮫ー

第5章 藻裾の先行き



「ボクの首の話じゃない!お前の首の話だ!」

「アタシの首は飛んだりしねぇデスよ。飛蛮頭じゃあるめぇし、第一非常識だろ、そんなん。やるなら自分の首でやれよな、肥溜めクン」

「わー!わー!わー!止めろよ!それホント止めて!汚い!イヤだ!」

「情けねぇヤツだなー。オメェも糞くれぇすんだろ?落ち着けよ。人類皆肥溜めの父母なんだからよ」

「果燐も大概口が悪いけどお前はその斜め上を行ってるぞ?下の話は止めろよ!」

「ああ、だから首を飛ばすとか言うわけ?そっちは所謂上の話的な?あーあーあー、成る程な!」

「いや、ソレ何か違う…」

話している間に建物に着いた。
ふたりは背中に背負っていた所謂柴を庇の下に下ろして、同時に大きく息を吐いた。

「熱源が木って、何この辛抱?オロチーってもっと金持ちかと思ってたよ。飛んだ買い被りだったな」

コキコキ首を回して汐田藻裾が水月を横目で見る。

「何だよ。知らないよ、ボクは。大蛇丸の懐具合なんか」

「可哀想なコたちだなーと思ってるだけデスよ。…スイミーはストーブって見たことある?」

「……本気で言ってんの?ボク、別にここで生まれ育った訳じゃないよ?」

「ああ。海で産卵されたんだろ?で、オロチーだかカブトムシだかに釣り上げられたと」

「…カブトでいいじゃん。わざわざムシをつけてやるなよ。ヒドイヤツだな」

「そう?カブトムシいいじゃないデスか。ムシキングデスよ?」

「虫でいいならお前もモスラでいいだろ?あれもムシキングだよな」

「いやいやいやいや。私なんてそんなまだまだ。とてもとても。遠慮させて頂きます。ヤだよ、虫なんか」

「お前から勝手をとったら何にも残んなさそうだなぁ」

「いや?色々いっぱい残るよ?肉好きとか金好きとか頭がいいとか腕っぷしが強いとか靴底に鉛を仕込んでるとか」

「…………色々言いたいことはあるけど、取り敢えず何、その最後の?靴底に鉛を仕込んでる?マジで?バカじゃないの?」

「バカじゃないの?って聞かれたらバカじゃないよっと答えるよ、アタシは」

「ああ、そう。じゃ言い方変える。バカだね」

「ふーん」

「ふーん?」

「うん?いや、いいよ、それで」

「……なんっかムカつくな」

「まァな。人にどうでもよく思われるってのは気分の良くねぇことだよな」

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