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連れ立って歩く 其の五 木の葉編 ー干柿鬼鮫ー

第7章 閑話休題?



「ああ。今牡蠣殻は木の葉に居るんだっけか」

飛段の思わせ振りにデイダラが頷いた。

「そういうことか。うん」

何となく話が途切れた。

向こうでまだ揉めながらガタガタやっていたサソリが、自分で削り散らかした卓の木っ端に足を滑らせて派手に転倒した。角都はそれを助け起こしもせず、椅子を据えてとうとうと自分の葬式のプランを語っている。
それを見るともなく見ていた三人は、またすぐ飽きて目を逸らした。

「依頼を受けたのはいいけどよ。どうすんの、鬼鮫は」

爪先を掻いてフッと息を吹き掛けた飛段に、イタチがすげない視線をくれて口を引き結ぶ。

「何か考えでもあんの?」

飛段はそんなイタチの様子に頓着ない。重ねて尋ね、卓の上にドンと足をのせる。

「ちょっと面白ェことになったよなァ」

「鬼鮫が何を考えているかまで俺にはわからない」

「ただ任務をこなすだけですってか。まぁそらそうだろうけどよ」

「杏可也は…」

デイダラが、言いかけて一度口を噤み、イタチを見てまた口を開いた。

「…草は何て言ってんだ?具体的にどういう依頼を受けたんだ?うん?」

「それはお前が知る必要のないことだ」

「まぁな。依頼を受けたのはオメェらだ。俺にゃ関係ねぇこったけど…」

言い淀んだデイダラにイタチは目を細めた。

「言いたいことがあるなら聞く。はっきり言え」

「いや。ねぇよ。うん」

鼻を啜り上げて咳き込み、デイダラは唸り声を上げた。

「灯油買って来る。これじゃ年越す前に熱が出るわ」

「おー、じゃ。ついでに赤いきつね買って来てくんねぇ?」

手を上げた飛段に半眼を向け、デイダラは立ち襟を引き上げた。

「赤いきつねはうどんだぞ。うどんでいいのかよ、うん?」

「あン?だっけか?じゃ、どん兵衛でいいや」

「は?緑のたぬきじゃなく?」

「どん兵衛」

「なら何で赤いきつねとか言い出した?緑のたぬきと間違えたんじゃねえの?本命は緑のたぬきじゃねぇわけ?」

「どん兵衛だっつってんだろ、しつけぇなァ」

「…オメェの思考回路がスッキリしなくて何か気持ち悪ィ…」

「俺がどん兵衛でいいってんだからそれでいんだよ!そんなにスッキリしたきゃオメェが緑のたぬき食やいいだろ!?好きなモン食わせろよ!」

「俺は年越し鍋焼うどんだから。うん」

「オメェも全然スッキリしてねぇじゃん…」
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