第7章 閑話休題?
「風邪なんだから蕎麦よかうどんだろ?何ならお粥で年越しだ、クソ!」
椅子をガタンと蹴飛ばして、広間を出掛けたデイダラがふと振り返った。三串目を手にしたイタチに、腕組みして何故か偉そうに言う。
「磯の連中によろしく言っといてくれよな。おめぇもせいぜい振り回されて来い。ざまァみろ!」
「…何言ってんの、アイツ」
きょとんとした飛段はイタチを見て更に首を傾げる。
「オメェはオメェで何笑っちゃってるわけ?」
「いや。笑っていない。団子を食っているからそう見えるだけだ」
「嘘だろ?笑ってんぞ。普通に食え」
「好きに食わせろ。煩わしい」
「あそ。悪かったですね。ハイハイ。あーあァ。退屈だなァ。何か面白ェこたねぇのかよォ」
「…ないから大人しくしていろ。任務以外であまり出歩くな。年末年始くらいじっとしているものだ」
「そう言われるとうろうろしたくなんだよなァ」
飛段は下唇を突き出して息を吹いた。
「俺も木の葉に行っちまおうかなァ」
「止めろ。物凄く迷惑だ」
「反応早ェな。何ソレ脊髄反応ってヤツ?いいじゃん、連れてけよ」
「駄目だ。物凄く迷惑だ」
「そ。ま、いっか。まぁせいぜい稼いで来いよな。お土産は甘くねぇもんで頼むわ」
「わかった」
律儀に頷いてイタチは空の皿を手に立ち上がった。
「俺はもう休む。明日早いからな」
「鬼鮫と牡蠣殻に新年の挨拶しといてくんねぇ?世話になる予定もねぇけどよ。げはははー」
「伝えておこう」
踵を返して、イタチもデイダラ同様振り向いた。
「…本当について来るなよ?」
「あーハイハイ。わかったから早く寝ろ。来年もよろしくぅ」
手を振ってへらへら笑う飛段に険しい視線を、まだ葬式の話をしている角都とサソリに興味なさそうな視線を送り、イタチは広間を出た。
十二月三十一日十八時三十分。
間もなく年明けだ。