第7章 閑話休題?
「何だと?俺の葬式の世話までしてくれるのか!ではより一層話を詰める必要があるな!」
「だ…ッ、生きてるおめぇとも関わりたかねぇのに死んだおめぇの世話なんざ誰がみるか!」
「安心しろ。死んだ俺は生きている俺より格段に大人しく、恐ろしく可愛げが増している筈だ。思わず世話を焼きたくなること請け合いだ」
「誰がそんなこと請け合えっつった!?生きてようが死んでようがおめぇに構いつけんのは真っ平だっつってんだ、俺は!うぉい!近寄んな!ぶっ殺すぞゴラ!!」
「気が早いぞ、サソリ。葬式の段取りをつける前に死んでしまっては死んでも死にきれん。で、先ずは俺の棺桶登場の演出だが、ゴンドラには白い薔薇を山のように飾り付け、ドライアイスの煙を赤くライトアップして盛り上げて貰いたい。弔問客にペンライトを配るのを忘れるなよ。受付で団扇とセットで売り付けてもいい。売り上げは俺と一緒に埋葬してくれ」
「棺桶登場の演出!?ゴンドラ!?ペンライト!?売り上げぇ!?葬式で!?葬式が!?ちょっと待て!おめぇホントにちゃんと死ぬ気あんだろうな!?」
「あるある。あるから聞け。肝心の司会はみのもんたに頼みたいのだが、お前伝手はあるか?」
「あるわけねぇだろ、そんなもん!もっと真面目に死ね馬鹿野郎!」
ガタガタと椅子を引いて追いつ追われつする角都とサソリを面白そうに見ていた若者三人は、すぐに老人と中年のやり取りに飽きて二人から目を逸らした。
「明日から任務か。ここでのんびりしてていいのかよ。前乗りすんのがオメェの流儀だろ、イタチ」
湯呑みに残った冷たい水をチビッと呑んで顰め面をした飛段にイタチが首を振った。
「前乗りなら多分鬼鮫がしている。俺は明日合流するつもりだ」
「あれ?鬼鮫が何処行ったのか知らねぇんじゃなかったのかよ、うん?」
鼻をかんだ紙をゴミ箱へ投げて的を外したデイダラが大儀そうに立ち上がる。
「聞いた訳でも確かめた訳でもないから定かではない。ただ恐らくそうだろうと思っているだけのことだ」
二串目の団子を手に取って、イタチは淡々と答えた。
「どの道明日には顔を会わせることになる。今何処に居るか穿鑿するまでもない」
「はぁん。オメェらの行き先は木の葉だったな」
飛段がにやりと笑って頭の後ろで両手を組んだ。
「お邪魔したくございませんってヤツ?」