第7章 閑話休題?
「いや、ブラックだろ。従業員こんだけ凍えさせるホワイト企業ある?おいらたちゃペンギンじゃねぇぞ、うん?」
「手元も見えねえくらい照明絞りやがって、福利厚生がなってねえぞコラ」
芸術コンビに責められて、角都がパーンと帳簿を卓に叩き付けた。
「ボーナス貰って文句を言うな!ガタガタ言うならボーナス返せ!そしたらケツに火が着くほど室をあっためて目が潰れるだけ照明も明るくしてやる!ケツの火傷も失明も保障してやるし、腹を壊して便所から一歩も出れん程蕎麦と餅を食わしてやるぞ!出せ、ボーナスを!戻せ、俺の金を!」
「…最後変なこと言ったよ、このおじいちゃん」
「組織の金とは言え手前で管理した金は我が子同様手前の金気分なんだろ、うん」
「発想がもう泥棒だぜ。気持ち横領しっ放しじゃねぇかよ、うちの出納係はよ」
「そもそも甘物を経費とも認めないケチな老いぼれに金の管理をさせるのが間違いだ。そろそろ引退させて雑用係にすべきだろう。団子を買いに行かせるとか汁粉の番をさせるとか、適度な役割と運動で優しく厳しく飼い殺す時期に来ているんじゃないか」
「…おいイタチ」
「何だ、角爺」
「早く仕事に行け」
「厭だ。俺は今年はここで年を越すと決めているのだ」
「お前の世話係は何処だ」
「鬼鮫の話か?鬼鮫なら出かけている」
「何処へ」
「聞いてもいないことを知るわけもないだろう。馬鹿なことを聞く」
「明日から仕事をする相方の行き先も知らないのか。駄目なイタチめ」
「かく言うお前は飛段が何処にいるのか常に把握しているのか」
「そんな訳あるか、馬鹿言うな」
角都と飛段の声が重なった。
「そうだろう。俺と鬼鮫もそうだ。駄目な角爺め、俺に謝っても構わないぞ」
「…悪かったな、デイダラ」
「え?ええ!?俺!?な、何だ何だ!?止めろよ、俺を巻き込むな!」
「うむ。悪かった、デイダラ」
「ええぇ!?ちょ、マジ止めろ、イタチまで!俺関係ねぇし、風邪だし怠いし、メンドくさい感じで振って来られても困っちゃうよ、うん!?」
「そうだな…。悪かったよ、デイダラ」
「いやあぁ!?何よ飛段、止めろって!」