第1章 幼き日に
「…っていうことがあったよね。そのことを小説に書こうと思うんだけど、どう思う、メロ?」
「馬鹿じゃねぇの」
自慢気に笑う彼女にメロは、まるで興味がない、といった様子でそう吐きすてた
ワイミーズ・ハウスにいた頃のとある夜から5年後
私とメロは同じ家で暮らしていた
どかっと股を大きく開いて、ソファに座ったメロに小説の内容を聞かせるために、私は回想を始めたのだ
「大体、長ぇし、話が頭に入ってこねぇ。それに、拙い文章で小説を書こうとするんじゃねぇよ。どこの駄作者が作ったのかと思ったぜ」
そう口にすると、右手に持った板チョコをかじった
「えぇーひどいなぁ。せっかくいい小説が書けそうだから、メロに一番最初に聞かせてあげたのにぃ」
「…そりゃあ、どーも」
メロは彼女の言葉に関心を見せずに、再び板チョコをかじりながら、答える
「棒読みでお礼言われても嬉しくないよぉ」