• テキストサイズ

幻影の花唄【ONE PIECE 】

第2章 後編



ロボットがここにきて2か月が経った。

2人の間には最初に比べれば、会話も増えた。
ローの顔色も大分戻り始めており、彼女も少しだけそのことに安堵していた。

だけど、どうやらタイムリミットは近づいているようだった。

静寂な部屋の中で電伝虫の声が鳴り響く。

ユーリは受話器を取ると、相手はコラソンだった。

てっきりローに用事があるのかと思えばどうやら違うようで、ローがいない場所で話すように言わた。

時間帯は深夜。ローは既に眠っていたので、彼女が部屋から出て行ったことには気づかない。

部屋から出て少し離れると、再び受話器を手に取る。
そして電話で伝えられた話。

彼女は相変わらず無表情だったが、少しだけ受話器を持っている手に力が入っていた。

「なぁ、あんたは対象者の心が読めるんだろ?もう時間がないんだ。頼むからあいつの…ローの願いを叶えてやってくれないか?」

コラソンからローの望みを聞かれたが、無意識に彼女はそれを言わなかった。
それをコラソンがどう思ったのかは分からない。

だが、今のローを助けれるのは彼女だけだ。
コラソンはローのことを全て彼女に任せてくれた。

ただのロボットである彼女を信頼してくれる彼が、少しだけ嬉しかった。


「話は分かりました。早急に対処させて頂きます」

彼女はそれだけ言うと受話器を置いた。

向かう先はローの自室。

今の時間帯は深夜なので、恐らく彼は寝ているだろう。












彼女の手にはナイフが持たれていた。
/ 89ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp