• テキストサイズ

幻影の花唄【ONE PIECE 】

第2章 後編



「そうか、それはよかったな」

ローの話を聞いて、コラソンが安心したように言葉を発した。
大した話はしてないのに、どこに安心できる要素があるのかは分らないが、特に突っ込む気にはなれなかった。

「…なぁ、そろそろこっちに戻ってきたらどうだ?」

少し前に、つる中将にも言われたその言葉。
ローはため息を吐くと、まだやることがあると言ってやんわりと断った。

その言葉に、コラソンから少しだけ困ったような雰囲気が伝わってきた。
だが、彼はそれ以上何も言ってくることがなかった。

「分かった。あまり無理はするなよ……何かあればすぐに言ってこい」

コラソンはそれだけ言うと電話を切った。

ローは受話器を置くと、座っていた椅子の背もたれに寄り掛かる。

天井を見上げれば変わらない風景広がっている。

視線を前に戻せば、彼女が食事を運んでいる姿が見える。

そして机に目線を向けると、何時ものように散らばった書類。


ローはゆっくりと目を閉じた。











まだやることがあるから、ここにいる。










じゃぁそのやることって…なんだ?




「…っ」


その先を考えてはいけないような気がして、ローは再び書類に目を通し始める。

目の前にある書類が何なのかも、彼は分かっていない。



その姿を、ユーリは静かに見つめていた。



/ 89ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp