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幻影の花唄【ONE PIECE 】

第2章 後編



「やぁ!?あっ…っはん…あぁ!?」

ユーリは朦朧とする意識の中、気が付けばベットに押し倒されていた。

そして状況を理解する前に、彼女の秘部へ突き立てられた彼の楔。


すぐさま激しく腰を打ち付けられると、ユーリの唇からは悲鳴に近い喘ぎが漏れていた。

「…おれ以外の奴と、逃げるんじゃねぇよ」

奥深くまで抉られるようなその激しさに、ユーリの背中はしなって足を宙へ浮かせる。

ローはそんなユーリへ噛みつくように口づけを送る。
荒々しく口内を舌で荒らせば、彼女も必死でそれに応えていた。

彼から紡がれたその言葉に、ユーリの心は痛んだ。
ユーリはエースに弁解をしようとしていたが、それはローを拒否する内容のものではなかった。

彼女の心はすでにローに捕らわれている。

その事実を、恐らく彼は知らない。

ローもユーリも、自分の気持ちを言葉にして伝えたことはなかった。
それを言ってしまえば、何かが崩れてしまうと無意識に思っていたのかもしれない。

…今、伝えた方がいいのだろうか。

ユーリはローの口づけを受けながら、ぼんやりと考え込んでいた。

…いや、駄目だ。どうせ私は死を選ぶ。私の言葉はかえって重荷になるだけだ。

ユーリはそっと目を閉じた。

明日、ローがユーリをどうするか分からない。
もしかしたらまた逃がそうとするのかもしれない。

だけど私は、何度でも彼の手を振り払い、この場に残り続けるだろう。

例え命令されたとしても、手足を折ってでもここにいる。
その選択が、彼にとってどれだけ残酷なものなのか、分からない。
だけど、もう迷っている時間はなかった。



海軍と海賊。その立場がなければ、また違った道があったのだろうか。

「…っ、ロー!」

ユーリは咄嗟に浮かんだその考えを消すと、ローの背にそっと手を回して抱きついた。

処刑の日が近づいている中、今は少しでも彼を感じていたかった。

ローもそんなユーリに応えるように、抱きしめてくれた。











もしかしたら、私が感じる幸せはこれが最後かもしれない。

窓から漏れている日の光が見えて、ユーリは思わずそう思っていた。
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