第2章 後編
ロボットと一緒に海へ出て数日後、任務は問題なく終わりを告げた。
中将であるローが駆り出されるくらいだから、どんなものかと思えばたいしたことはなかった。
ローは目の前で倒れている賞金首には目もくれず、その場を去っていく。
後はこの島の海兵がどうにでもするだろう。
ふと時計を見ればまだ夕刻前。
今日宿泊するホテルに戻ればあのロボットがいるはずだ。
そう思ったら、ローの足は止まっていた。
未だに2人の間には会話らしい会話はあまりない。
これでも最初に比べたら増えた方だが、なんとなくあのホテルに帰るのが気が引けた。
彼女の扱いに悩んでいるローは、無意識に彼女を避けているかもしれない。
避けると言っても、何だかんだで任務に連れてきたのだがから、完全に無視はできないのだろう。
ローはため息を吐くと、少し早いが酒場で適当に酒を飲むかと思って身を翻した。
「……」
ローが身を翻した時、ふと目に入った雑貨屋。
その雑貨屋には、身に覚えのある白髪の女性が立っていた。
その後ろ姿が誰か分かると、ローは少し驚いた。
確かに任務中はこの島で好きにしていいと言っていたが、どうせホテルで大人しくしてるのだろうと思っていた。
そう思っていたのだが、彼女は今雑貨屋で何かを見ているようだった。
その姿を見ていると、ロボットだということを忘れて、普通の人間のように思えてしまう。
ローは彼女の姿を暫く茫然と見ていたのだが、気がつけば足がそこへ向かっていた。