第2章 後編
ロボット過ごし始めて1か月が過ぎた。
相変わらず変わらない毎日を過ごしていたのだが、ここ最近ローは頭を悩ませていた。
彼の目の前にいるのは、ずっと海を眺めているユーリ。
数日前から二人は、船に乗りインペルダウンを離れていた。
ローはある任務のために、半月ほどインペルダウンを離れることになった。
別に任務はどうでもいい、問題はこのロボットだ。
ローは任務の期間中、このロボットをどうするか頭を悩ませていた。
いくら上に話を付けているとはいえ、元処刑人を姿をしているユーリ。
彼女に注がれる視線は、消して歓迎されるものではなかった。
過去のローならば、そんなの構わずに置いて行くだろう。
だが、1か月もローの態度にめげず傍に居続けるこのロボットに、流石のローも少しくらいは情が出てきた。
ユーリの姿をしているから尚更だ。
だから悩むこと数日。彼女も一緒に連れて行くことにしたのだ。
まさかこんな形で、彼女と再び海に出ることになるとは思わなかった。
もちろん中身は違うのだが、死んだユーリの生き写しのような彼女は、ローに色々な錯覚を与える。
ローはそっとため息を吐くと、船内の窓から海を眺め続けているロボットを見ていた。
その光景は、ユーリと共に任務へ赴いていた時ものに酷く似ている。
ローはそんな彼女の姿から、まるで魂が囚われてるかのように、目を離すことができなかった。