第2章 地上へ
どれくらい歩いただろう、まだ着かないのだろうか?
「おい、シェルパールナイト。もうすぐ俺は故郷から離れることで姿が変わる。案内はするから俺を抱えて歩け。」
「え…だいじょうぶかn…!!」
その瞬間、アクレアツスの姿がいつもの怖そうな姿から小さく可愛らしい姿へ変化したのだ。
「ほら、言っただろ、離れるとこうなるんだ、俺だってそこそこ年なんだ、体力だって帰ること考えると自信がねぇ、ほら、抱えていけ」
「…は、はい」
かわいいアクレアツスを抱えながらまた歩き始めた。
なんだか見てると普段の姿からするとおかしくなってくる。
「ふふっ、かわいいね、アクレアツス」
「あぁ?てめぇな、あんま調子乗んなよ」
「ごめんって、…ねぇ、また帰ってきてもいい?」
「は?仲間に会えるっつーのに帰んのか?
まぁ、いいんじゃねぇの、お前はパールから出来てるから、海に来ればお前が欠けた時役に立つだろ」
「…あのフォスフォフィライトの時は一か八かだったが、どうなったか、帰ってきたら、その辺も報告しろよ」
「うん。わかった。フォスって人はみんなにとって大事な人なんだね。会えたら、また絶対帰ってくるよ。
僕にとっても、海は故郷だから。」
「…あぁ」
「ほら、もうすぐだ、もう朝日が昇るな、丁度いい。宝石達は昼間にしか行動できないからな」
「?じゃあなんで僕は夜も動けるの?」
「そりゃお前は貝から生まれたからじゃねーの?そこらへんはよくわからねぇ、宝石たちに聞くことだな」
「わかった。 あっ、浅くなってきたね、もうすぐだ」
「じゃあここでお別れだ、じゃあな、シェルパールナイト」
「うん、ありがとう。アクレアツス。一族のみんなにもありがとうって言っといて。」
「おぅ。じゃあな」
…こうやって僕はアクレアツスと別れ、1人で地上に上陸した。