第1章 誕生
そのウェントリコスス王は、自分達はアドミラビリス族といい、僕とは違う種族である。と教えてくれた。
アドミラビリス族は僕のことを怪奇的に、好奇的に見て、なんだかんだ優しくしてくれた。
ウェントリコススによると僕より前に、僕と同じ種族の物がここへ来て、アドミラビリス族を救ってくれた。
と言った。
「おぬしが居るべきところはここではない。弟に案内させる。地上へ行くのがよかろう。」
…地上。伝説も教えてもらった、自分はきっと、伝説の中の骨である宝石に当たるのだろう。
僕の仲間がいる地上。興味がとめどなく湧いた。
「いってきます。僕の仲間がいるなら、会ってみたい。」
「あそこはわれも行った事があるが、おぬしのように美しい容姿のものばかりであったぞ♡
…海から来たおぬしがどう受け入られるかわからぬが、少なくとも受け入れられぬことはなかろう、安心するがよい」
「…わかりました。それではアクレアツス、案内お願いします。」
「あー、仕方ねぇなぁ、姉上も年だしな?笑
体力のある俺が案内してやるよ。」
「…お主にひとつ頼みがある。もしフォスフォフィライトに会ったら、すまなかったと、代わりに謝ってはくれないか、昔きた宝石の事だ。…まだ申し訳ないと思っている。頼めるか?」
「はい。わかりました。フォスフォフィライト、ですね。」
「長くて覚えづらいであろう。フォスと呼ばれておった。フォスのおかげで我ら一族はここまで戻ることができた。まだ少数ではあるが、一族としてやっていけているとも、伝えておいてくれ。」
「…フォスですね、わかりました。
…僕の名前を、最後につけてくれませんか、王。」
「…よかろう。 お主は満月の夜、貝から生まれた。パールであろう。
…シェルパールナイト、というのはどうだ?地上でも受け入れやすい名前だと思うが。」
「シェルパールナイト…。ありがとうございます。 異種である僕に面倒をかけてくれた貴方からの名前、大切にします。」
「うむ、では行け、アクレアツス頼んだぞ」
「はいはーい、まかせといてー」
そして私は、海の中をアクレアツスに連れられ、地上にあるという「宝石の国」を目指すこととなった。