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それでも明日は来ると信じています【十二大戦】

第1章 はじめまして■ね。


俺は一応、戦士でねずみさん『ハンドレッド・クリック』って技能をもっちゃあいるが、戦士でも特殊な技能があろうが事故には遇う時は遇う訳で。

「危ない!」

そこで登場するのが名前がわからない同級生だった。俺を突き飛ばしてそいつが暴走した車に代わりに撥ね飛ばされて呆気なく死んだ。

ほっとけばいいと思ったぜ?別にそいつが態々、突き飛ばさなくたってねずみさん『ハンドレッド・クリック』使えば死は回避できたんだからな。つまりそいつは勝手なお節介を焼いて無駄死に、ようは自業自得って奴だ。

「なぁ、あんた」
「……はい?」

なのに俺は助けちまった。2回目で十分だった。俺と同じ下校のタイミングをズラすだけ。言い訳するなら俺のせいで死なれるなんて胸糞悪いだろ?そいつを助けた理由に深い意味なんて無い。だからこれっきり。同じクラスであろうとなんだろうとこれで終わり。

「あんた、何してんの?」
「いえ、一緒にお昼をと思いまして!」

なのにそいつときたら昼の学校の屋上、俺の隣で弁当箱を広げ能天気そうな笑顔を浮かべてる。

「俺、一人がいいんだけど」
「墨野君。もっと食べなきゃダメですよ?大きくなれません」
「聞けよ」

お節介にズカズカと人のパーソナルスペースに踏み込むそいつの存在に頭が痛くなる。てか俺、成長期終わってるし。これ以上、伸びねーし。

「まぁ、なんと言いますか。実は私、墨野君にお礼を言いに来たんです」
「は?」
「結局は何となくなんです。墨野君が私に話しかけてくれなかったら大変な事になってた気がして。だから有り難うございます」

ふわりと笑った。そして言って満足したのか弁当を食べ始めるそいつにただ、ばつが悪かった。助けられたのはこっちだっつーの。当然、口に出しても意味がないって嫌でも知っているから出さねぇけど。

「また、教室で会いましょう!」

弁当を食べ終わったそいつはまた頭を下げて元気良く屋上から出ていった。次なんてねぇし。あいつが話しかけても無視しようと思っていた矢先、

(きゃあああ!!)
(人が階段から落ちたぞ!)
(首が、おえっ)

「はい?」

そいつは呆気なく死んだ。嘘だろ?
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