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それでも明日は来ると信じています【十二大戦】

第1章 はじめまして■ね。


彼とは余り話したことありません。私と同じクラスの男の子、墨野君。いつも眠たげで目付きが鋭めな男の子。席は一番後ろの窓際の端で私の席から遠くで尚更、話す機会なんてありません。

「なぁ、あんた」
「……はい?」

だから呼び止められたとき、反応が物凄く遅れてしまったんです。辺りを見回します。昇降口、下駄箱、各々友達と話して帰る学生達。でも彼の視線の先は私のようでした。

気怠げだけど威圧的な彼に少し腰が引けます。彼は不良ではないので怖がる必要はないのですがやはり目付きが怖いのかもしれません。こんなこと思うなんて失礼ですよね。罪悪感が沸きます。私の罪悪感を他所に彼は続けました。

「あんたさ。この後、正門から帰るよな」
「え、えぇ。そうですね。じゃないと帰れませんから」
「そのルート避けた方がいいぜ」

彼は一方的に言い放つと靴を変えて先に帰ってしまいました。呆然としてしまいます。何だったんでしょう?忠告のような警告のような彼の発言に頭を傾げます。でも何故でしょう?このようなやり取りを前にも、

それはありえません。彼とちゃんと話したのは今回が初めての筈なんですから。

さっきの発言は嫌がらせかもしれません。何か罰ゲームなのかもしれません。意味の無い妄言だったのかもしれません。考えている内に正門の方が騒がしくなりました。

(おい、聞いたかよ。事故だってよ)
(暴走車両が正門に突っ込んだんだって!)
(幸いにも怪我人は出なかったから良かったよね)

ぞくりと背筋が戦慄きました。まさか、
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