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それでも明日は来ると信じています【十二大戦】

第3章 ようこそこれで■■が■ないね。


(は風邪だ。…大丈夫か墨野、お前も体調が悪いなら帰っていいぞ?)

担任にあいつの事を聞いたらそんな答えが返ってきた。毎日、健康である保証なんてないんだから気にすることでもないだろうし俺だって目が離せないって言っても四六時中、あいつを見てる訳じゃない。

学校が休みの日がそうだ。休みの日まであいつの様子を見に行っていないし今までちゃんとあいつは生きて次の週に会っていた。ここまでの付き合いでわかってるのはあいつはお人好しが過ぎて死にやすいが毎日、死んでる訳じゃないって事だ。大体、二日に一回あるかないか。

それでも落ち着かない一日を味わってる。既視感を覚える周りの奴等の会話。見たことある人の失敗と成功と現象。この感覚は覚えがあった。ねずみさん『ハントレッド・クリック』だ。でも俺は今日、一回しか使ってない。

考えすぎだ。と自分に言い聞かせる。気分が悪い。担任の言葉に甘えて早退しとけば良かったと後悔した。あいつはちゃんと生きている。

それなのに学校が終わって俺は例の空き家の前にいた。

「…」

修繕されていない幽霊なんか信じてないが出てもおかしくないと思わせる重い空気を纏った空き家。夢の中であいつの最後を見つけた場所。絶望の始まりの場所。夢の中でしか行ったことがない筈なのに実在する場所。

まだ、悪い夢を見てるのかよ俺。

老朽化した廊下を進む。軋む床の音と心音が重なる。進むな。止まれ。奥の部屋の戸に手を伸ばす。やめろ。そこには、あいつの■■が

「、ない」

夢の中のオブジェはそこには存在していなかった。
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