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妖狐の灯火

第3章 秘密の部屋


14

昭久が倒れたのは、過度のストレスだろう。
リドが案内してくれた廊下に向かうと心優しい生徒の物であろう額に濡らしたハンカチが乗せられていた。

昭久の側には生徒が心配そうに集まり

リドが私を連れて来たのに安堵したのかホッとした表情で
今までの経緯を話してくれた。

『急に、フラフラと壁に着いたと思ったらもう意識が無くなってました』
『悪いな、後は任せろ。医務室に連れて行くから次の授業に行け』

生徒達を授業へ促し。
昭久を抱き上げて、医務室に急ぎ足で向かった。

マダムポンフリーの見解でもストレスや過労だが精神的なもの。
私に後を頼むと校長室に、報告だろうか。
向かって行く背中を見つめる。

「バカ弟が・・・」

生徒にも教師にも心配させて何をやってるんだ

原久殿の式だろうか、私の周囲を飛ぶ折り鶴が手の上に止まって文になる。

内容を確認して。

私は今日の分の授業が終わったので
夜まで本を読んで時間を潰した



紙の擦れる音でふと意識が覚醒する
あれ、俺どうしたんだっけ?
目を開けると本を読んでるセブが目に入り。

「・・・セブ?俺、何で?」
「ようやく起きたか、馬鹿者」

酷く不機嫌なその顔に、何だか申し訳なくて。
起き上がろうとしたら片手で目を塞がれ
まだ起きるなと押さえ付けられる。

「馬鹿昭久、何を隠している?」
「・・・」

驚いた、俺の行動ってバレバレだったのか?

「そんなに私が信用ならんか?」
「・・・違う」
「なら言え、何を隠している」

どう言えば良いんだろう、目を塞がれたまま

「やだな、セブ。何にも隠して」
「言わんと真実薬を無理矢理飲ますぞ」

やべえ、セブルスがキレてる。
俺情けないなと、無性に泣きたくなって
答えたら、兄貴は遠退いてしまうだろうか
ぐずぐずと泣きながら、セブルスに話した。

俺の前世、ハリー・ポッターの存在、今と原作の違い・・・セブルスの死ぬ現実を

学校に何も無い様に全て手を回し、誰も死なない道を選んでる俺のエゴ。

もうどうなっても良いやと、みっともなく泣きながら、全て吐いた。
ここに生まれる前、事故で死んだ事
記憶を持って生まれた事

気配がセブの他に2つあったから、リドと鴉かと思ってたけど
不意に手を離されて、目に飛び込んで来たのは

優しく笑う親父とアルバスが居て。
目を大きく見開いた
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