第3章 秘密の部屋
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決闘クラブの時から、妙に避けられている気がする。
しょっちゅうベッドに潜り込んできたり
リドや鴉と笑ってる姿を見掛けなくなり・・・
私とも滅多に目を合わせなくなった。
『全く、最近の昭久は何考えてるのか解らないよ』
『笑顔を・・・見せて下さいません。あ、いえ、端から見たら笑っておられるのですが』
『作り笑いなんだよね』
いつもアホみたいに振る舞ってるのに急に顔つきが変わって
気を張り詰めているようで・・・
『あのままでは、主の心が壊れてしまいます』
『・・・バカやってストレス解消してたのに、何溜め込んでるんだか』
「済まないな、様子を報告してくれて」
『ハロウィンまでもうじうじされても困るからね、セブ何とかしてよ』
「善処しよう」
もうすぐ昭久が帰って来るからと式の2人は戻って行き溜め息を吐く
様子がおかしくなったのは明らかにあの決闘で泣いた時。
蛇のようにうねる炎が私を攻撃した瞬間。
何かを思い出したのか?
日本の家で、まだ教師に就任してない時に言ってたな
「此れから7年間波乱が起きる、だったか?」
だがクィレルの件以来特にホグワーツには何も起こってない。
まさか彼奴は。
「裏で手を回して危機を回避しているのか?」
彼奴の性格上、可能だ。幼い頃に闇の帝王を葬った時。
8歳の幼い姿で現れたのも。あいつは予知していたと原久殿は言っていたが。
予知ではなかったら?
何だか腹の底から怒りが込み上げて来て
彼奴が私を兄貴と呼ぶのであれば。
兄弟喧嘩をしてもバチは当たるまい。
だが、原久殿にも聞いて貰うぞバカ弟
早速手紙を書いて、何を溜め込んでるのか知らんが。後に原久殿、校長にも吐いて貰おうか。
『セブ!』
「どうした?リド」
血相を変えて飛び込んで来たリドに驚き
『昭久が急に倒れた!』
「あの馬鹿!!」
溜めすぎたか考え過ぎたか、いやまず
容態を診る為に自分の部屋から昭久の部屋へ飛び込んだ。