第3章 秘密の部屋
03
『昭久!昭久ってば』
怒りに任せて黙々とリドの手を掴んで歩いてたら
『昭久!!』
「あ・・・悪い」
気が付いたら俺達はノクターン横丁のど真ん中
まあ、俺達目が赤いから誰も寄って来ないのと
『昭久・・・妖力』
「悪い・・・ごめんリド」
『僕は大丈夫だから、抑えて。あのデコ閣下の所に行かないから』
「うん・・・うん・・・」
怒りと妖力で周囲にビリビリと威圧感を与えている俺は
リドにポンポンと子供の様に背中を叩かれて
『正直ね、僕は君の式になって良かったと思っているよ』
「え・・・」
『じゃないと誰かにあのまま消されていたかもしれないのに』
昭久は救う為に式にしたんでしょ?と言われて
情けない顔をしたままの俺を「あーもう、」とリドの肩に押し付けられて
『僕の主人は昭久だけ』
「・・・うん」
『誰が誘いに来ても行かないし、君の式だから行けないでしょ?』
だからそんな顔するなと頭を叩かれて
「痛いなぁ」
『キミがうじうじしてるからだよ!』
ほら、と手を出されて
『チビ達が探してると思うから帰るよ』
「ああ、悪いな」
『うん、態度がでかいのが昭久だよ』
「それ褒めてんの?貶してんの?」
『自分で考えたら?』
リドに腕を引っ張られながら、ダイアゴン横丁まで戻ったら
俺を探してたのかチビ達と保護者がうろうろしてて
『あ、昭久とリド居たよー!』
『お前等ノクターンに行ってたのか』
『うん、教材を求めてね、日本のはダイアゴンに少ないんだよ』
リドのフォローを受けて、俺なっさけねーな。
捻くれ者のリドにあそこまで言われるなんて・・・
全員と合流したらセブにも心配掛けた様で拳骨食らったけど
「元に戻った様だな」
「ん、サンキュー2人共」
『べつに。本当の事言ったまでだよ』
俺は果報者だなと、改めて思った。
心の中で2人に感謝して
『昭久先生大丈夫?』
『さっきマルフォイの父親が顔面真っ青でドラコと話してたんだよ』
あちゃ、リドルだとやっぱりバレたか
『僕だってバレたみたいだね、あのデコ頭悪いんじゃない?』
「まあまあ、そう言ってやるなよ」
「後で何があったか聞かせて貰うからな」