第3章 秘密の部屋
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夏休みに入って真っ先に向かったのは死霊の道。
あいつ急にこっちに放り込んだから絶対怒ってるだろうなと思いながら
鴉を引き連れ賽の河原へ降りた。
まずここの主に挨拶しねーとな
と思った瞬間何かが飛んできて、俺の頭にぶつかりそうだったのを鴉が庇ってキャッチした。うお、これ石か。
『ちっ!運の良い奴め!!』
『きっさまあ!主に何をする!』
「まーまー、鴉落ち着いて、リドル元気そうじゃん」
『こんな所に急に送り込んでおいて!せめて何か役職を与えろよ!ここの主に相談して役職貰えるまで相当暇だったよ』
「そっか、主はどこ?」
『あっちの岩の上、今は寝てるよ』
そっとリドルが俺に近付き小声で話す
『ここって・・・酷いな。子供だけで、積み上げた石を何度も壊されてはまた積み上げて・・・どういう所なの?ここの主は自分の主に聞けって言うんだ』
「お、主って認めてくれんの?」
『仕方なくだ、なったものはしょうがないからな』
「ここはな、賽の河原と言って、自分の親よりも先に死んだ子供が来る地獄だ」
『・・・』
「ひとつ積んでは父の為、ふたつ積んでは母の為。親より先に死んだ罪が許されるまで一生積み続ける」
『何で!?この子達は好きで死んだ訳じゃないだろう?』
「それが生きる事を許された者の罪であり罰だ、お前が言えた義理か?ヴォルデモート」
『・・・っ』
君は、君が作られる前に生徒を1人殺してるよね?
『珍しい声がすると思ったら、昭久じゃったか』
天から降るような声が辺りに響いて、ぬっとでかい蛙があらわれた
目を細めて俺と鴉を見て、ゲコゲコと喉を鳴らす
『リドルが騒がしいと思ったら・・・今はお前に対して意地張ってるだけじゃ、あんまり苛めてやるな』
「はいはい、リドル」
『・・・何だよ』
「お前も帰るぞ」
『僕が?どこに帰るってんだ・・・』
「俺達の家に、だ」
手を差し出して、帰ると言う言葉に慣れてないだろうリドルが。無言で手を握り返して来た。
蛙の主に挨拶し、そう言えば