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妖狐の灯火

第2章 賢者の石


22

ドラコとネビルが罰則中

禁じられた森の中を鴉を憑依させて飛ぶ
ユニコーンに害は無いと聞いたけど妙なモノが動物を襲って居るらしい。

もうすぐで、いつもの召喚場所だなと思った時だった。

『昭久様』

しっかりとした声で名前を呼ばれ身を翻して止まる
周囲を見渡せばそこには1頭のケンタウルス

『済まん急いでいるんだ』
『貴方は行ってはいけない』

急な拒絶の声に、妙にカチンと来た。何だコイツ!

『お前の名前は?』
『私はロラン』

フィレンツェじゃないならきっと理由は言わねえな?

『星見で俺が危険だとでも出たか?』
『ええ、火星が眩いのです』
『悪いが、理由も言わない奴に従う積もりはない』

じゃあな、と再び翼を広げて飛ぼうとしたら

『動物達に害をなしてる者は!貴方を誘き出す為です!』
『は?』

理由を言った?こいつは本当にあの口の固いロランなのか?

必死な顔で、そう言うロランに

『お前、何を知っている』

ざわざわと俺の"妖気"が周囲の空気を震えさせ
ロランは青ざめる

『お待ちください昭久様』

増えた声に視線だけを向けるとケンタウルスがもう1頭

『私はフィレンツェ、ケンタウルスは貴方を敵に回したくありません』

落ち着いた声に、俺の心も落ちついて来たか

『今日は引く、だが俺を誘き寄せようとする者の名を教えろ』

フィレンツェは静かに深呼吸し

『闇の帝王』

その名を聞いて頷き、ちくしょう。あのバカは何をしようとしてんだ。
苛つく気を鎮めて、もと来た道を飛んで戻った。

部屋に戻ったら珍しくセブルスは居なくて
寝巻きに着替えて、セブの部屋へのドアを開けた

「戻ったか、馬鹿者」
「ん」
「妖気が此方まで響いて、校長が心配していたぞ」
「・・・」

黙って俯いてたら腕を引かれてボスンとセブルスのベッドに転がされ

「寝ろ」

乱暴に頭を撫でられ、俺はそのまま眠りについた。
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